NEWS NEWS&TOPICS 株式会社エニグモ 須田社長インタビュー //= $wp_path; ?> 2020.11.05 今回は、世界各国のパーソナルショッパー(出品者)から、世界中のファッションアイテムを購入できるマーケットプレイス「BUYMA(バイマ)」等を運営している株式会社エニグモの代表取締役である須田将啓社長にお話しを伺いました。新卒で入社した博報堂を退職し、エニグモを創立した背景や今後の戦略、M&Aへの思いについてお話をしていただきました。 経営者プロフィール 1974年茨城県水戸市生まれ。2000年、慶應義塾大学院工学研究科修了後、株式会社博報堂に入社。入社3年目頃より、同僚と共にBUYMAの原型となるビジネスプランを練る。起業家としての活動を並行して始め、2004年に博報堂を退社、株式会社エニグモを設立。2012年7月創業8年目にして株式を公開。 エニグモ創業について 土橋:エニグモの創業背景や創業時のお話をお聞かせください。 須田社長:就職活動する時、これからの時代、付加価値が大きいのはマーケティングだと考えていました。「ユーザーの求めるものの把握」と「売り方」の部分ですね。そこで、マーケティングについての知識やスキルを身につけるために博報堂に入社しました。もともと自分で何かをやりたいという想いはあったので、30歳までに起業するつもりで入社し、29歳の時にBUYMAというサービスを提供したくて起業しました。世界中のどんな物でも買えるプラットフォームを作りたかったんです。ただ、いざ立ち上げてみたら全然結果がでなくて(笑)。CtoCだと結果が出るのは遅いので、法人向けの広告サービスをやったりしながら、凌いでました。BUYMAの強みを考えていく中でファッション領域とのマッチングが非常にいいなと感じました。 事業について 土橋:改めて、BUYMAの強みというのは何でしょう。 須田社長:BUYMAの強みは無在庫で世界中からラインナップできる点です。逆に、商品の仕入れも個人から集めるので、マスプロダクトには合わないんですよね。例えば、そこらへんに売っているお茶とか誰もBUYMAで買わないじゃないですか。シーズンによる流行り廃りがあって、小ロットかつ多品種でいけるファッション領域がBUYMAに向いていました。ここまでファッションを扱うことになるなんて創業当時は考えてもいませんでしたね(笑)。 土橋:創業当時は苦労も多かったと思いますが、CtoCのプラットフォームであるBUYMAの運営がうまくいきだしたきっかけはありましたか。 須田社長:アバクロですかね。アバクロは日本になくて、ファッション好きの中では話題になっていて、かつ値段もそこまで高くない。アバクロを含め、BUYMA上で商品が売れだすとサイトの信頼性が上がるんですよね。そこから段々中価格帯のものが売れだし、ラグジュアリー品も売れるようになってきました。「フォーカスすることでマッチングする」と気づいた瞬間です。それで、サイトのデザインも少しずつ変えていったっていう感じですね。 M&Aの考え方について 土橋:続いてM&Aについて、検討されている理由も含め、どのようにお考えでしょうか。 須田社長:BUYMAの品ぞろえを強化するもの、として、ビューティなどの隣接領域が対象になると思っています。他にはうちの会社のスキルやBUYMAが生きるようなM&Aを希望します。うちの会社は「売る力」や「オペレーション力」には非常に長けていると思います。これはデータを取って愚直にPDCAを回している成果です。なので、プロダクトがある程度完成していて、かつ取り組んでいる市場が大きく、売り上げがそこまで大きくない会社であれば売り上げを伸ばせると思います。プロダクトを作るのはお任せして、オペレーションやマーケティングの部分はうちに任せるというか、うちを利用してもらえればと思っています。 土橋:C to Cのプラットフォームを持つという点で同様のビジネスモデルの企業を希望されているということでしょうか。 須田社長:はい。ただ、うちとは全然違う面がある会社でもアリだと思っています。我々に新しい手段を与えてくれるM&Aですね。うちはC to Cなので営業はいないわけですよ。今後新しいサービスを立ち上げるときに営業がいた方がいい場面も出てくると思うので、我々にないようなリソースや能力がある会社もアリですね。 土橋:M&Aを行う上で判断軸や大切にしている部分はどこでしょうか。 須田さん:一つ目は成長率です。今の成長率というより、うちのオペレーションが入ることで成長率を大きく上げることが出来るという見込みですね。 二つ目は経営者です。ただ経営者の継続性に関しては、プラットフォームがしっかりしていればさほど重要視しないかもしれません。経営者との考え方やキャラの相性がよければ、投資の組織の作り方などの点で、カルチャーがあう確率も高くなるとは思うので、そういう点では経営者は大事ですね。経営者も含め、企業のカルチャーとの相性を重視します。 土橋:では、BUYMAに関して、売却企業にアピールできる点はどういったところでしょうか。 須田社長:今までのBUYMA運営におけるノウハウと単価の高い優良顧客を800万人抱えていることです。優良顧客に関しては年間約100万人増えているペースですね。つまり、高級品を買ってくれる人たちがそれほど多くいるわけですから、そこと相性がいい企業はいいと思います。 土橋:先ほど経営者との相性という言葉がありましたが、売り手企業の経営者に求めることや能力に関してはいかがでしょうか。 須田社長:プロダクトの部分はお任せするので、うちのリソースを活用しながら会社のスケールアップを目指してくれるといいです。800万人超の顧客資産も使ってほしいですし。ただ、やはりBUYMA運営で培ったオペレーションノウハウが宝だと思っているので、そこを生かしてほしいです。 土橋:最後にM&Aを行う上で考えていらっしゃる価格感はいかがでしょうか。 須田社長:数億~10数億円の前半くらいを今は考えています。50億円を超えるM&Aはよっぽどのことがない限り、という感じでしょうか。逆に1億円以下でのM&Aも考えづらいです。大体10億前後で、利益が出始めていて、かつ潜在的な伸びしろがある企業がいいですね。全株を取得ということだけでなく、51%以上の子会社化してIPOを目指すというのもいいかもしれません。 土橋コメント 今回、須田社長をインタビューさせて頂き、エニグモの創業ストーリーから、今後のM&Aに対しての取り組み方を教えて頂きました。 須田社長との出会いは2006年、ITのカンファレンスで知り合いました。当時からBUYMAに対しての熱い想いがありましたし、本にも書かれていたように、順風満帆に駆け上ってきた訳ではない事を知っている古くからの友達としても、現在のエニグモ社は盤石に営んでいる魅力的な企業のひとつだと言えます。 エニグモ社のM&Aはこれから始まります。是非、BUYMAのアセットを利用できるようなプロダクトをお持ちであれば、資本提携に限らず、業務提携も見据えてご相談頂ければと思います。 M&Aコンサルティングでは、事業承継やM&Aだけでなく、経営者の情熱やストーリーを多くの方々に繋げられるように、これからも経営者の思いを発信していきます。 基本情報 会社名株式会社エニグモ (英文社名:Enigmo Inc.) 所在地東京都港区赤坂8-1-22 NMF青山一丁目ビル6階 設立2004年2月10日 従業員数108名(2020年7月末時点) 事業内容 インターネットビジネスの企画・開発・運営 役員代表取締役 最高経営責任者須田将啓 取締役 最高執行責任者安藤英男 取締役 金田洋一 社外取締役 小田島伸至 社外取締役 谷村格 取材・執筆 株式会社M&Aコンサルティング 代表取締役 土橋裕太 インターン 笠原寛太、西田樹生、石川咲里、小林里佳 株式会社事業承継通信社取締役COO 柳隆之 前の経営者インタビュー 株式会社SHIFT 丹下社長へインタビュ… 前の記事へ 経営者インタビュー一覧に戻る 次の経営者インタビュー 株式会社ドリコム 内藤社長インタビュー 次の記事へ