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株式会社FAプロダクツ天野眞也氏インタビュー。デジタル化は「効率化」ではなく「コミュニケーション」。

株式会社FAプロダクツ天野眞也氏インタビュー。デジタル化は「効率化」ではなく「コミュニケーション」。

2022.03.25

スマートファクトリー化が日本の製造業を救う

製造業のDXから生産ラインの開発・実装までを包括的に支援する「Team Cross FA(チームクロスエフエー)」の立ち上げや、経済産業省「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」にシステムインテグレーターとして参画するなど、幅広く活躍する株式会社FAプロダクツ。創業以来、その勢いやアイデアの独創性は、他社の追随を許さないほどだ。
そんなFAプロダクツとM&Aコンサルティングが、業務提携を結ぶ運びとなった。業務提携を記念し、FAプロダクツ代表取締役会長の天野眞也さんと当社代表取締役社長の松栄遥、取締役の依田真輔が、製造業の未来について語る。

聞き手:弊社代表取締役社長 松栄遥、取締役 依田真輔

構成:ライター 土橋水菜子


日本中の工場を駆け巡った会社員時代

松栄 ご無沙汰しています。キーエンス時代の大先輩にあたる天野さんと、事業提携ができるなんて夢のようです。ますは、天野さんがFAプロダクツを設立された経緯についてお聞かせいただけますか。

天野 懐かしいですね。私が新卒で入社した当時は、キーエンスはまだまだ無名な会社でした。営業へ行く際「キーエンスです」と言えば、顧客に「金?銀?なんて言った?」と聞き間違えられるくらい(笑)。

依田 (笑)。

天野 ですがその分、若いうちからキヤノンさんやブリヂストンさんなど、大企業を担当させていただく機会にも恵まれて。日本中のありとあらゆる工場を、数万以上回ることができました。これまでに見たことがない現場はないのではないでしょうか。そうして、さまざまなメーカーや商社とつながりができるなか「設備メーカーを探してくれないか」「新しい会社があれば、どんどん教えてほしい」といった依頼が度々あったんです。

松栄 なるほど。

天野 そこで、そのようなメーカーや商社をつなぐシステムができないかと考えたんです。食べログとか、カーセンサーのような形で、そこで受発注ができる仕組みを企画したんです。

依田 設備商品のポータルサイトといったイメージですね。

天野 それがFAナビという、FAプロダクツの前につくった会社でした。ある程度需要はあったのですが、企業間のマッチングがうまくいかなかった。そんなとき、株式会社オフィスエフエイ・コム代表の飯野英城氏というシステムエンジニアに出会って。飯野さんと組んで工場のアナログシステムを、オートメーション化しようってことになったんです。

松栄 まさに今、天野さんが推進されているスマートファクトリー事業の1例目ですね。

天野 ただ、これも一周目はトラブル続きで。今まで人がやっている工程を自動化するハードルは高かったです。今思えば、大手メーカーはステッカー1枚を貼る位置ですら、うまく貼れない、途中で曲がる、ずれる、クラッシュするなど、いろんな経緯を経て自動化しやすい設計に変更しています。つまり、そういった失敗を繰り返してようやく、部品の納入から梱包資材まですべてファクトリーオートメーション化されているんですよ。それらを全く取り組んできていない工場に対してオートメーション化を1から訴求していくのは本当に大変でしたね。

松栄 今まで人が行っていたことを自動化するとなると、課題は多そうです。FAプロダクツさんの「3Dデジタルシミュレーション」も、このような経緯から生まれたのでしょうか。

天野 そうなんです。私たち自身、もっと幅広い提案ができないかと思っていた際に出合ったのが3Dデジタルシミュレーションでした。今、我々の核になるシミュレーション技術なのですが、設備を現場に搬入する前に、コンピューター上で実際の動作を確認できるんです。

依田 ロボットや設備、作業者の動きなど、工場内の動作をすべてシミュレーションできるんですよね。いや、すごいです。

ファクトリーオートメーション化。立ちはだかる壁はいつも同じ?

天野 ファクトリーオートメーションを突き詰めていくと、トラブルが起きるところってたいてい同じだということに気がついたんです。

松栄 詳しくお聞かせいただけますか。

天野 工場の規模が大きくなればなるほど、設備同士の連動性が必要になってくる。でも、装置の設計を1人で行うのは大変なので、いろんな人が携わるんですよ。単純に考えても、メカの設計者はもちろん、電気、ハード、ソフトウェアの構築も必要になってきます。そうなると、これらのすべての設備が連動したときを想定して、各セクションが設計を行う必要があるんです。ところが、ほとんどの企業にはそれらの指揮を取ることができる人がいない。

依田 俯瞰して、全体の動きをシミュレーションできる人材が必要、ということですね。

天野 はい。もちろん、大手メーカーにはそのような人材を抱えているところもあります。ですが、ほとんどの会社にはそんな人はいない。部分最適でそれぞれ設計の担当者を分けたとしても、設備全体を繋げたときの動作をイメージできる存在が必要なんです。

松栄 プロデューサーのような役割ですね。

天野 そうなんです。技術同士を繋げる役割「コネクテッド・エンジニアリング」と私たちは言っているのですが、この部分で製造業に貢献していこうと思ったんです。

松栄 こうしてFAプロダクツが生まれた、と。

天野 ただ、時代を先取りしすぎたのか、当時はなかなか仕事がこなくて(笑)。

松栄 世の中がまだ追いついていないと(笑)。

天野 コネクテッド・エンジニアリングよりも先に、営業コンサルタントとしてのお仕事が舞い込むことが多かったですね。そのため当時は、企業の営業・マーケティングの仕組みづくりなどを行っていました。トヨタさんなど、いろんな会社の営業に同行したり、企業が展示会に出展するとなれば、展示会のブースデザインや、人員の確保、交換した名刺の管理など、幅広く行っていましたね。広告代理店兼マーケティング会社のようでした。ものづくりから離れ、一見すると寄り道なんですが、今になって思うとこの経験はためになったと思います。

依田 具体的にお話いただけますか。

天野 製造業ってそもそも、マーケティングの部分の課題が多いと感じていて。工場の役割と言えば、品質の良いものをたくさんつくる、それがイメージにあると思うんです。でも、産業ベースで見ると、今後は世界で売れるもの、競争力がある製品をつくっていく必要がある。

松栄 だからブランディングやマーケティングの観点が必要、というわけですね。

天野 市場の変化にどう追随していくかを考えるのも大切です。顧客の市場を開拓していくためにも、FAプロダクツ側も最新のデータを持っておく必要があります。最先端の技術はもちろん、ロボットやAIについても全部知っておかないと、顧客に最適提案ができないじゃないですか。

松栄 たしかに、そうですね。

天野 あらゆるメーカーのプロダクトやデジタル技術を組み合わせて、最適な提案を行いたい。そこで、産業、工程、最先端技術、これらすべてを横断的に紐づけられるようなチームをつくりたいと思ったんです。そうして「Team Cross FA(チームクロスFA)」が誕生しました。

松栄 すごいですよね。それぞれの分野の応用技術や、専門家を集めて1つのチームをつくる。このようなソリューションは、今までこの業界にはない発想だと思いました。

天野 ありがとうございます。現在では既存設備のIoT化はもちろん、スマートファクトリー化のプロジェクトの構想から立ち上げ、運用までをワンストップで提供しています。

松栄 当社では製造業を中心にM&Aのアドバイザリー・仲介事業を展開しています。M&Aや事業承継を行う際に、デジタル化された工場だと、かなり付加価値を高められるのでは、と思っています。特に中小企業では、なかなか工場内の数値管理は出来ていないのが実態です。

天野 そうかもしれませんね。

松栄 なので、特に将来、M&Aや事業継承を検討されている企業の方には、先述の3Dデジタルシミュレーションや、Team Cross FAの利用をぜひ検討いただきたいと感じました。

日本のものづくり産業はノウハウの宝庫

松栄 今後、日本の製造業はどうなっていくとお考えでしょうか。

天野 私ね、勝ち筋しかないと思っているんですよ。

松栄 製造業の方が聞くと、意外に思われるかもしれませんね。

天野 そうですね。たしかに現時点では、製造業はあまりコンピューターの恩恵を受け切れていないと思います。それはなぜか。ご存知の通り製造業って複雑なんです。製造ラインでも、実際は納入された部品が少し反っていたり、樹脂が伸縮していたりと、いろんなことが起こるわけです。でも人がつくっていると、そういう細かいところって全部調整ができるじゃないですか。だから結局「コツ」が必要になってくるんですよね。

依田 「長年の勘」とかですね。

天野 でもね、それって裏を返せば「ものづくりのノウハウ」をたくさん持っているということなんです。カップラーメンやオムツ、テレビにパソコン、バイクに車など、日本は全部つくってきているんです。

依田 言語化されていないノウハウは、きっとたくさんありますね。

天野 これらをデジタル化しちゃえばいいだけの話ですから、それが可能になれば十分世界に通用するんです。私は、デジタル化とは「効率化」ではなく「コミュニケーション」だと思っています。デジタル上でこれからつくる製造ラインを社長、工場長、設計者、製造者みんなで見たら、全員の知見を合わせられるじゃないですか。

松栄 集まった意見をもとに、コツや勘で行っていた業務をデジタル化できたら、たしかに勝算はありそうです。

天野 ロボット技術もあり、ものづくりのノウハウもある。それでいて今、デジタル化できる入り口に立っているわけですから、どう考えても日本は勝ち筋なんですよ。私は今、日本はもちろんASEANやその先に、アメリカ、ヨーロッパのマーケットを視野に入れています。

松栄 本当にそうですね。なんだかわくわくしてきました。天野さんと共同で事業が行えるのが、今から楽しみです。

天野 私もです。やりましょう。日本の製造業を、世界に広めていきましょう。

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