成約実績

事業拡大のためにグッズ製作事業を譲渡

DATA
株式会社アルファ
事業内容:コンサートグッズ/ノベルティグッズの企画・製作
M&Aの目的:事業拡大、従業員の成長
M&A手法:事業譲渡
譲渡先:丸井織物株式会社

アルファさんはどの様な会社で、起業してから現在に至るまでの経緯をお聞かせ下さい

弊社は2007年に創業し、「エンタメに特化したモノづくりの会社を作ろう!」をモットーに、主にコンサートグッズを中心としたグッズ製作・卸売業と中国との直接貿易に特化した仕入れルートを確立しました。
クライアント様はレコード会社、芸能事務所、アーティスト事務所となります。前職では10年間レコード店のPOPを主としたSP会社で営業職をしていました。営業職時代(約20年前)に上海に訪問時、レコード店はほぼ無く、あってもコピー店でした。若者はPCでHPから音源を無料でダウンロードし、CDRに焼いて音楽を聞いていました。中国は既にデジタルに関するものは「タダ」という文化でした。故にアーティストの楽曲はあくまでプロモーションの一環で、収益構造の主軸は「コンサートの興行収入」でした。この「エンタメのデジタル化」の波は今後日本にも必ず訪れる、近い将来CD・DVDは斜陽化し、レコード店は減り、代わりにコンサート、それに纏わるグッズ販売、いわゆるライブエンターテイメント市場が主軸となっていくと予想しました。
帰国後、すぐにコンサートグッズの営業にシフトしました。Tシャツ、タオル、各種アクセサリー、沢山のモノづくりを徹底的に勉強しました。原宿のキディランドに毎日足を運んだのを懐かしく思います。お金がないのでフィギュアを触ってこれがABS(樹脂)、これがPVC(ポリ塩ビ)と買わずにメモして、とか。
その後、貯金をためてアルファを設立しました。起業時はレコード会社、プロダクションへの毎日の新規アポ電は当然の事でしたが、何よりも仕入インフラの構築に力を入れてきました。「中国での直接生産」です。当時の仕入ルートは殆ど日本国内で、中国生産がまだ弱い時代でした。頻繁に香港のギフトショーに足を運び、50社近くの工場を訪問しました。今でこそ現地の協力工場は確立しましたが、当時は失敗の連続でした。「安かろう、悪かろう」で、納品時印刷が剥がれていたり、インクに虫が混入していたり、毎回予想以上の不良品の連続でした。各クライアント様に何度頭を下げ、ご迷惑をお掛けしたことか。それでも中国ルートは必ず必要になる、と確信していたので、諦めずに発注を続けました。不良品は多々あれど、騙された事は一度もありませんでした。中国側は悪気があってモノを納めている訳では無い事を熟知していました。中国と日本の求める品質レベル「基準値の格差」があまりにも大きかったのです。通常なら取引中止、新たに探す、という流れでしたが、自分は現場に赴き、スタッフと何故これが不良品なのか?どう改善すべきか?基準値の格差是正を徹底的にディスカッションしました。彼等も少しでも良いものを作ろうという意識があったので日々成長していきました。その工場とは今でも良い関係が続いています。
近年は中国経済の発展により工場は中国国内のクライアントから受注した方がロットも多く、品質も楽で、儲けも多い。一方日本の発注は、細かい、数少ない、納期無い、値切る、と実は受けつけてくれなくなっているのが現状です。しかし長年お付き合いした工場のおかげで今でも小ロット対応してくれたり、無理な納期も間に合わせてくれたり、逆に助けていただいております。積み重ねた「信頼」があってこそなんだと実感しております。中国とのお付き合いはビジネスライクでは無理です。日本は縦社会、中国は横社会といいます。嫌なら引き受けない。信頼しあえたらトコトン協力してくれる。持ちつ持たれつ、人情商売ですね。「情で繋がる」、これがビジネスの本来あるべき姿なのかもしれませんね。おかげ様でアルファは13年間継続でき現在に至ることができました。

最初に事業を譲渡しようと思ったきっかけから決断に至った経緯を教えていただけますか?

現在エンタメ市場においてCD、DVDのパッケージ販売は斜陽傾向にありますが、コンサート市場は逆で、直近10年間は急激な右肩上がり、2019年は6,300億円と過去最高の市場規模となりました。2020年はコロナの影響で売上は落ちましたが、グッズ需要はEC販売に助けられ、ライブ本体よりは減少しませんでした。アフターコロナはネットライブ配信の台頭もありますが、やはり人が集まる生ライブの市場はニーズがあり、これからも必要とされると思います。それは生ライブにおける「感動の共有」、「一体感」は人間にとって大切な感情表現の場でもあり、デジタルでは決して補う事ができません。このコロナ禍で、会場での集団感染対策のインフラ整備も整いました。更にネットライブ配信の構築により、チケットを購入できなかったファン、海外ファンのネット配信ライブ需要が生ライブに加わり、二重の収益構造が予測されます。
また、コンサート以外でも、グッズ製作は今後更に多様化していくと予想されます。これからは人々の趣味、嗜好は細分化され、多種多様なコミュニティ化が進みます。そこに纏わる「モノづくり」も多様化していきます。誰でも気軽にモノづくりが楽しめる時代がきます。今後未来を見据えた上でやるべき事は多々ありますが、アルファはまだまだ小さな会社です。私個人の資本力では限界があります。今後さらに事業を拡大できる十分な資本力のある会社に任せ、更に大きくしていくべきであると考えました。
また、おかげ様で創業以来黒字経営であったため、今この時期が良い売却タイミングであると判断しました。良い財務状況で譲渡することが良い買手企業が現れる条件だと思いました。そして何よりも「社員の長期雇用維持」を優先的に考え、安定した資本力のある企業にお譲りすることにしました。

M&Aや事業の譲渡を決断する前と後では、かなりイメージが変わったと思うのですが、実際に経験されてみていかがでしたか?

実は数年前から弊社に興味ある企業が、という声がありました。しかし、自分では絶対売却できないだろうと思っていました。理由は、弊社は「人」が商品だからです。飲食店やメーカーのように商品や工場があるわけではなく、アルファの財産は「人」であり、無理だという先入観がありました。
そんな中、私が別の飲食事業で株主として参加させていただいている企業のファウンダーの一人である、税理士法人スパイラル(M&Aコンサルティングの母体)の太田先生に相談した所、十分譲渡できる可能性がある、とのことだったので相談し依頼しました。フタを開けたら、弊社に興味をもって頂いた会社は最初の1週間で20数社も出てきて、予想を超える反響とラブコールを頂き、本当にびっくりしました。

M&A仲介会社として、スパイラルグループのM&Aコンサルティングを選んだ理由について教えてください

他の仲介会社からも声がかかっていましたが、やはり信頼できる先述の太田先生に相談し、総合的に判断してM&Aコンサルティングにお願いすることにしました。

買い手企業を選ぶ上では、どのようなことを意識しましたか?

① 従業員の雇用と給与をしっかり守ってくれること
② 今より事業規模を大きくしてくれること
③ 買手とのシナジー効果を感じられること

この3つを重視しました。最終的に丸井織物さんに譲渡を決めたのは、この3つの条件を兼ね備えていたからです。シナジー要因としては、丸井織物さんが手掛ける「Up-T」というオンラインのマーチャンダイジング事業の業績が急速に伸びており、一緒に組むことで弊社の弱い部分を補完して拡大できる明確なシナジーを感じたからです。
またシステム設計やEC販売のノウハウも豊富で、弊社のクライアントであるアーティスト事務所のECサイトの構築から販売・納品まで代行することができ、単なるモノづくりだけではなく、よりITを駆使した顧客満足度の高い総合的提案ができると感じたからです。丸井織物さんは歴史の長い織物会社ではありますが、実は最先端のテック企業でもあると私は思っています。
一早く工場のIOT化、Up-TをはじめとするECサイトのBtoC販売、その他、コロナ前からのテレワーク導入等、未来のあるべきビジネススタイルを既に構築しておりました。早くから時代の変化に気づき、常に一歩早く行動できる、そのような会社に譲渡できた事は誇りに思います。

当社のサービスにはご満足いただけましたか?

はい、100点満点です。担当の北山さんにはこの半年間、本当にお世話になりました。コロナ禍、土日も関係なく親身になってご連絡頂きました。
また買手側、売手側どちらかを贔屓することなく、常に中立な立場で助言・対応していただいたことが結果的に信頼につながり、安心してお任せすることができました。
M&A仲介会社は買手、売手の両方に良い事しか言わない風見鶏なイメージがありましたが、北山さんは常に公平で正直に対応してくださいました。
M&A仲介会社を選ぶポイントとして、自分の立場だけに有利な事をいってくる方はちょっと気を付けた方が良いですね。売り手は高く売りたい、買い手は安く買いたい、意見の違いは当然ある訳で。メリットだけでなく、デメリットも踏まえ、誠実に対応してくださるM&A仲介会社はとても信頼できると思います。北山さんはそんな方でした。本当に感謝しております。

率直に今はどのようなお気持ちですか?

正直まだ気持ちの切り替えができていないのが本音です。特に従業員が新しい会社の組織に上手く馴染めるか心配です。私にとって今回の譲渡は、我が子のお見合い相手を探す感覚でした。自分が育てた会社と従業員が成人になり、買手企業と結婚してまた成長していく、そのための「お見合い」そんな感覚でした。我が子と離れる事は寂しいですが、親離れにより成長する事も多々ある訳で。皆が成長するための「別れ」は時として人生必要なのかもしれませんね。
13年前小さなマンションの一室から一人で会社を立ち上げ、今まで手塩にかけて育てあげた愛情たっぷりの我が子のような会社だったので勿論寂しいです。特に従業員とお別れするのが一番悲しいですが。気付いたら、うちの従業員はこの5年間で離職率ゼロ、誰一人辞めずにいたのですね。本当に感謝しております。次は大きなフィールドで大暴れして欲しいです。思う存分アイデアを出して、楽しんで活躍して成長していって欲しいと思っています。遠くから彼等の成長を見るのも、これからの楽しみの一つになりますね。

今後の川島様の目標を聞かせていただけますか?

この半年間はM&Aに注力していたので、今後のことはまだ何も決めていませんでした。
今は少しずつ自分の将来も考え始めています。
プライベートでは子供の教育面も含めて家族4人でバリ島に移住しようかと思っています(まだビザ申請中なので決定ではありません、下り次第ですが)。世界はコロナを機にDXが進み今後急速なテクノロジー化、環境が激変していきます。自分はあえて逆に、自然豊かなアナログ環境に身を置こうかと。子供は大自然と戯れ、多国籍な友を作り、学問の知識よりも生きていく「知恵」を身に付けてくれたら嬉しいですね。鎖国的視野ではなく、グローバルで柔軟な視野を持ってくれたらいいなと思います。4年後はまた違う国に移住するとか、そんなジプシーなライフスタイルになるかもしれません。「風の時代」に入りましたので。
またインドネシアは2.5億人と世界4位の人口で、2045年には世界5位のGDP大国になるアジアで今後最も成長していく国です。平均年齢29歳と若く勢いがあり元気な国です。また、どこか懐かしい古き良き「昭和の日本」が残っているのが魅力的です。そんな可能性にみちたインドネシアに身を置き、ビジネスチャンスがあれば勿論チャレンジしてみたいです。会社も住居も売却し、異国の地でゼロからのスタートになります。この歳になって大きな決断をしたと言われますが、「現状維持は退歩の一歩」ともいいますし。また新しい環境で、ゼロから初めて、結果素晴らしい人生勉強が出来たら、それはそれでとても良い事だなと思います。

最後に今、会社の譲渡や事業の売却を考えている方へメッセージをお願できますか?

譲渡が決まるまでは無料なので気軽に相談してみてください。すでに欧米ではM&Aは一般的ですが、日本はまだまだ認識されていません(自分もそうでした)。
今後日本も良い意味で、中小企業のM&Aが活発化されていくと思います。結果、日本経済の発展に繋がっていけたらとても素晴らしい事だと思います。
少しでもご興味・ご関心のある方は、一度ご相談されることをお勧め致します。

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