今回、事業の売却・承継を経験したことがある経営者を対象に、事業売却・承継に関する実態調査を実施しました。結果として、36.8%の経営者が過去の事業売却・承継に対して「もっと高い価格を想定していた」と回答しており、その理由としては「良い買い手が見つからなかったから」が38.9%、「自社の企業価値を適切に把握していなかったから」が36.1%、「そもそも売却価格を上げる方法を知らなかったから」が27.8%となりました。
また、事業の売却・承継に関して、「1〜2年単位の準備期間を設けることで企業価値を上げる手法」に約7割の経営者が興味を持ったほか、今後「数年スパンで企業価値を逆算し、経営や事業推進を行って行きたい」と考える経営者も約7割いたことから、経営者は事業売却・承継を行う前提で「企業価値」を高めることへ前のめりになっています。
M&Aマッチングプラットフォームの増加でM&Aが一般化しつつあり、M&Aが比較的容易に行われるようになった一方で、多くの経営者が自社の企業価値の向上手法を知らない事実が浮き彫りになりました。M&Aの成功を最大化させるために、事業売却・承継を検討する初期段階で、M&Aアドバイザーを交え、客観的な会社の魅力や付加価値を引き出すことが必要となるでしょう。