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【M&A】H2 STATION株式会社 / 日野一志社長 ~M&Aの意義 / 調剤薬局からIT事業まで〜

今回お話を伺ったのは、首都圏、東北エリアを中心に調剤薬局を多店舗展開しながら、薬局以外の事業の展開も進めておられるH2 STATION株式会社 代表取締役・日野一志さんです。 調剤薬局だけでも、売却や買収を含めて20店舗以上も展開してこられましたが、最近では、通販サイトHoimi(https://hoimi.jp/)を買収し、これまでの業態、業種を超えた展開も始められています。 今回のインタビューでは特に、M&Aにおける買手の目線として、買収の際にこだわっていること、そして買収の意義についてお話を伺いました。

ーまずはどのような経歴で事業を始められたのか教えてください。

日野社長:
もともと、秋田県出身で、仙台にある東北薬科大学を卒業しました。

薬学部を出ると通常、薬局に入るか、もしくは製薬会社や病院にいくことが多いのですが、学生時代はバイトばかりしていたこともあり、成績も今ひとつでしたので、とりあえず当時は毎年3月の末に行われていた薬剤師の国家試験で合格を目指し、薬剤師免許を無事に取得できたので、近所の薬局へ入りました。

22歳で入って、その年の4月には薬局というものの全体の仕組みが分かって(笑)。

3年後に自分でやろうと思いながら、働いていましたね。

ただ、いざ24歳になったときに、周囲に薬局の話がなかったというのと、薬局を自分で回すイメージはあるものの、経営を広げる経験、営業的な経験はなかったので、このあたりは学んでおきたいなと思い、外資の製薬会社に転職をしました。

そこから仕切り直しの「3年後開業」と目標を改めて転職をしましたが、外資系の製薬会社の成果主義というのはなかなか大きなプレッシャーにはなりました。しかし後々のことを考えますと、とてもいい経験をさせて貰いました。

そこでの経験を経て、改めて製薬会社への転職から3年後の「27歳の誕生日の翌日」に、薬局開業に向けたスタート地点に立つことが出来ました。

ー起業までのスピードが早いですね。なぜ自分でやろうと考えられたのですか?

日野社長:
立ち上げのときに派遣事業の認可をとったり、後々は人材紹介業の許可を取得したりもしましたから、薬局というよりも「経営そのもの」に興味がありました。

自分の父親も事業をやっていましたし、そういう無意識の感覚的なものはあるのかもしれないですね。株も大学を出て1年目からやってましたし。

起業から13年経ちますが、いま18店舗。譲渡した店舗もあるので、実際に展開した店舗数はもう少しあります。

以前参加した経営者向けセミナーで教えて頂いた内容の中に、経営をダーウィンの進化論に例えて「環境適応のできない会社は絶え、環境変化に耐えられた会社が生存競争に生き残れる」という考えを教わりました。

有名な「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるのではない。唯一生き残ることが出来るのは変化できる者である」という言葉ですね。

私が薬局の経営を始めたとき、薬局の経営というものはとても魅力的なビジネスだったと思います。今でもそのように考える方は多いかもしれません。しかし現状は全く違います。まさにダーウィンが唱えた「変化しなければいけない時」に差し掛かっています。

そういった状況をふまえて、会社が社会の生存競争の中で生き残るために必要な変化をしてきた、というのが率直な気持ちかもしれません。

ー買収するときの基準はどういったものなのでしょうか?

日野社長:
買収では、もちろん「利益が出ていて手間もかからない」というのが一番良いですが、そうもいかない(笑)。これまでやってきたことを振り返ってみても、だいたい8~9割ぐらいは立て直しが必要なものでした。

「財務的に赤字」とか、「薬剤師が確保できない」というものから、「医師との協業関係がうまく成り立っていない」「薬剤師間の連携がとれていない」など、いろいろ問題はありますが、客観的に見たときには結構改善の余地があったりします。

赤字であればコスト面の見直しによって改善できる場合はありますし、薬剤師が採用できない場合であれば、条件面だけでなく目指す世界観や会社としての考え方を出して共感してくれる人を募集する、などやり方はあります。

医師や薬剤師など人の問題でも、個人の考え方や価値観は個々によって違うものです。そのそれぞれのばらつきのある価値観を可視化しまして、少し違う方向を向いてしまっているベクトルを揃えていくことにより、納得したり話し合った結果の落としどころを作るということで解決できると考えています。

長くやってきた当事者では気付かないことも、外から見ることによって冷静に見ることができるから、そこにメスを入れることもできる。

実は、M&Aの意義というのはこういうところにもあると思っていて、非効率な事業を非効率なままにしておくよりも、それを効率よく回してくれる人に任せたほうが良い、という。

引き継いでやることは、必要に応じてコストの見直しと全体の質を引き上げ、これまで以上の満足感を得るように改善することでしょうか。

これらの取り組みは「正攻法」でどうするか、ということだけだと思います。

そうでなければ、必ず納得しない人が出てきます。
ただし、「正攻法」でも納得をしない人も出てきます。ですが、それは自己の利益を追っている人ということになります。

買収の意義は、全体の為であり関わる多くの方にとってよくなる前提で考えています。

ただしある面では、それは自己の利益を求める個人や利己的な企業とは相いれない側面があり、関わる全ての方にとってよくならないのも事実だと思います。

ー確かに外からみたほうが客観的に見ることができますし、経営者が交代すること自体に意味があるように思えます。引き継ぐということだけでなく、日野社長が経営で大事にされていることはありますか?

日野社長:
それはシンプルに「経理」と「人事」ですね。

経理というのは、各店の数字を分かるようにする、可視化して把握できる状態にすること。これが分からないことには、状況も分からないし、指針も立てられない。

そして人事、人材の部分。

特にこの業界だと、医師との連携や、薬剤師との連携も必要だし、そもそも患者さんも体の調子が悪い人で、そこをケアする仕事なわけで、直に「人の力」が影響する。

だから人材は本当に大切。

三国志が好きで読むのですが、強固な城を構えて優秀な将に任せると、国家や地域は安定しますよね。隣国が攻めてきても、そこに住む人達が安定して住み心地のいい国にいるわけですから、国を守ろうとしますし、簡単には落ちないでしょう。しかし、政情不安や悪政、重税等により安定から外れた状態にあるときに隣国が攻められると、あっけなく落ちてしまうのと同じだと思うんです。

この優秀な人材を雇うというのは、特に重要な要素でしょうね。

あとは、軸を決めてルールを定めたら、その人に任せればいい。「任せられる人がいるか」というところですよ。

ーこれからの業界について、日野社長自身はどうお考えですか?

日野社長:
もともと業界的には小規模店舗が乱立、7割が個人薬局で構成されると言われる低寡占市場ですが、4、5年前から一部で行われていた合併が一段と進んできました。

政府の医療費削減の方針もありますし、薬価引き下げ、調剤報酬の下落は続くでしょうから、利益的には厳しい状況。一方で、ポイントがついたりカードが使えたりするドラッグストアが多くありますから、競合環境と言う意味でも大変です。

経営環境は暴風雨が吹いている状態ではあると思うので、すでに、昔のやり方をやっているだけでは成り立たなくなってきています。

シビアにコスト管理をしないといけないし、今まで以上にサービスの質が問われることは間違いないでしょう。

そういう意味では、個人薬局でやれることというのは限界がありますし、難しいところがある。管理という点でも、質の向上という点でも、個人薬局が、組織化・仕組化されたところと統合していくというのは合理的だし、流れとしてはあると思います。

私たちも、今後も変わらずM&Aを検討していきたいと考えています。

これまでの展開する中でのノウハウがありますし、それを活かして考えています。

ご興味ある方は、個別に相談頂ければ私の出来ることでしたら全てお教えしますよ。

ーありがとうございます。非常によくわかりました。最後に、最近日野社長は調剤薬局以外の展開を始められましたが、こちらの背景を伺えますか?

全く新しい取り組みとして、業界の異なる、通販サイトのHoimi(https://hoimi.jp/)を買収しました。

調剤業界の状況は、決して、風向きが良いわけではないですし、たとえ今はよくても、いつどのような形になるか分からないですから、常に新しいことは考えていきたいと思っています。

この1年でいえば、消費税の増税、報酬の改定、と2段階で逆風になるようなことがあったので、あえて店舗展開は進めず、静観しているときに偶然見つけました。

IT分野で、通販という成長分野で、自分の勉強にもなりますし、デザイナー支援にもなる事業だから、意義もある。

それに、自分でも分かるシンプルな商材だから、ある程度コントロールはきくと思って、「新しい挑戦には、面白い」と思い、決めましたね。

業界という枠に縛られず、これからもいろんな可能性のある分野においてチャレンジをしていきたいと思います

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