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精密小型歯車を世界へ!M&A成立で実現する新しい世界

精密小型歯車を世界へ!M&A成立で実現する新しい世界

2022.07.21

今回、事業承継型M&Aが成立したのは、東京都三鷹市に本社を置く株式会社都精機。都精機は製造業の中でも、競合が少ない精密小型歯車に特化した会社だ。これまで、代表取締役の矢都木力さんと、常務取締役の矢都木透さんが経営を担ってきた。安定した営業利益と、健全な財務基盤を持っていることから、M&A(譲り受け)の引き合いも多かったという。

そんな都精機から株式を譲り受けたのがRCホールディングス株式会社。代表取締役を務めるのは上野翼さん。RCホールディングスは、「日本の技術を集結し、世界へ」というミッションを掲げ、日本の製造業技術を国内外問わず、幅広く展開している。

M&Aに至った背景や理想の将来像について、譲渡企業・譲受企業それぞれの立場から、3人が語った。

 

譲渡企業:株式会社都精機 矢都木力、矢都木透

譲受企業:RCホールディングス株式会社

聞き手:弊社担当コンサルタント 黒宮大貴

構成:ライター 土橋水菜子

 

 

社員とその家族を第一に考えた結果がM&A【譲渡企業:株式会社都精機】

 

――都精機さんは創業から70年以上続く、精密小型歯車のエキスパートという認識です。まずは創業のきっかけや、都精機さんの特徴について教えてください。

 

矢都木力 都精機は祖父が立ち上げた会社です。当時、勤めていた小西六写真工業株式会社(現:コニカミノルタ)を辞め、退職金をもとに、歯車の製造に用いる歯切り盤を購入したと聞いています。定年退職を目前に迎えたころでした。祖父は在職中、設計関係の仕事に就いていましたが、歯車を専門にしていたわけではありません。けれども、歯車に可能性を感じて会社を立ち上げたんです。そして、以降はずっと東京三鷹の土地で、歯切り加工を行ってきました。

 

矢都木透 金属加工を商いにしている会社はたくさんあります。しかし、歯車、それも極小歯車を製造する会社はそう多くはありません。社長でもある兄(矢都木力)がお話ししたように、都精機は祖父の代から数えて70年以上の歴史があります。長きに渡ってお客様とお付き合いをしてきたことから、取引先との信頼関係も厚いと感じています。ニッチな商品を取り扱っているというのもあり、大手企業との付き合いもあります。そのため、業績が安定しているのが特徴です。

――競合の少ない精密小型歯車に特化し、安定した営業利益を上げている都精機さんがM&Aに至ったのはなぜですか。

 

矢都木力 私も60歳を過ぎました。娘が3人いますが、残念ながら精密小型歯車には関心がなかったようで……。それぞれ別の道へ進んでいきました。一方で、周りの会社や商店を見渡すと、後継者が見つからず、廃業する企業もたくさんありました。都精機を存続させるためにはどうすればいいか。悩んだ結果がM&Aだったんです。

 

矢都木透 社長と同様、私にも2人の娘がいますが、状況は同じでした。事業としてある程度の規模もあるため、取引先のことも考えなければならない。何より、1番大切なのは社員やその家族です。生活を守るのは当然のこと、勝手なことはできません。私たちが退くというよりは、新しい、優秀な経営者を迎えることで、会社のさらなる発展を望みました。

――M&Aを検討後、都精機さんにはたくさんのオファーがあったと聞きました。その中でも、弊社をアドバイザーに選んだ理由はありますか。

 

矢都木力 「御社に興味を持っている会社がある」と、みなさんお話しくださるのですが、具体的な企業名を提供してくれる会社はありませんでした。「本当に我が社に関心がある企業は存在するのだろうか……」そのような不安がよぎるなか、M&Aコンサルティングさんは、いくつかの情報を開示してくれたんです。実は、頭では事業承継を行いたいと思っていても、なかなか勇気が出ない部分もあったのですが、そのとき踏ん切りがついたんです。

M&Aを進めるにあたって、必要となる資料の準備には苦労しましたが、ご担当の黒宮さんのサポートもあり、なんとか整えることができました。おかげさまで、無事に事業承継を進められ、とても感謝しています。

 

矢都木透 M&Aが成立するまで、支払いが生じない「完全成功報酬」というのも魅力でした。M&Aは人生のうちに何度も経験するものではありません。譲渡企業は特にそうです。初めての事業承継でわからないことが多いなか、完全成功報酬と、その報酬のパーセンテージがはじめから明示されていたのは、売り手の私たちにとって安心材料となりました。

また、製造業に知見を持ったコンサルタントに担当してもらえたのも、ありがたかったですね。

――こちらこそ、この度はありがとうございました。これからM&Aを行う企業に向けてのメッセージや、率直なご感想はありますか。

 

矢都木力 はじめは、分からないことばかりで戸惑うことも多いかと思います。けれども、決断が重要です。一歩踏み出せば、コンサルタントの助言に従って着々と進めていくだけで、自ずと道は開かれます。アドバイザーを選ぶポイントとしては……熱意でしょうか。大切な会社を手放すことになるので、やはりやる気のある方に担当してもらったほうが良いと思います。

 

矢都木透 M&Aが成立してほっとしています。社員や、協力会社の方々への正式発表はこれからなので、まだ仕事は残っている状態です。それを乗り越えて、本当の意味での事業承継が実現できれば嬉しいですね。新社長にリードしていただき、社員にとって「より素晴らしい」と思える会社に発展してくれたら、と切に願っています。

 

世界のマーケットにも通ずる素晴らしい技術だと感じた【譲受企業:RCホールディングス株式会社】

 

――RCホールディングスさんはこれまで、航空宇宙分野を中心にM&Aをされていましたね。数ある製造業の企業の中から、都精機さんに決めた理由ついて教えてください。

 

 RCホールディングスでは、先人から受け継がれた高い技術力を持つ会社をグループ化し、国内はもちろん、世界に向けてそれらを展開していくことを目指しています。目標は、日本の製造業を牽引する企業グループを作ること。そのようななか、M&Aコンサルティングさんを通じて、都精機の矢都木力さん、矢都木透さんと出会いました。都精機さんは技術力がとても高い会社です。この技術は国内のみならず、世界のあらゆる産業に役立てていけるのではと感じたんです。

 

――都精機さんの精密小型歯車は国内だけでなく、海外でもニーズがある、ということですね。

 

 今後、世界はますます先進的な機械が開発され、産業も発達していくと考えられます。そのようなときにも、歯車というパーツは欠かせません。

まだM&Aが成立したばかりで、歯車の持つポテンシャルを完全には把握できていない状態です。けれども、今見えていないところも含めて、その潜在能力を最大限に活かせるような事業展開を行っていけたら、と思っています。

――夢のあるお話ですね。今後の展開が楽しみです。

 

 ここからがスタートだと考えています。今回よりご一緒する都精機さんをはじめ、当グループが成長・発展できるよう、謙虚な姿勢で取り組んでまいります。

 

 

 

===編集後記===

 

都精機様は創業以来70年続く、歴史のある会社です。そのため、M&Aを行うにあたって、矢都木力さん、矢都木透さんは「社員の方がどう思うか」を気にされていました。

そこで、精密小型歯車の製造というニッチな業種ながらも、その技術力の高さや、事業基盤の安定性を高く評価いただける企業をお探しました。その結果、都精機様の魅力を理解し、過去にM&Aのご実績をお持ちのRCホールディングス様をご紹介しました。無事にマッチングすることができ、私も嬉しく思っています。

 

M&Aコンサルティングでは、譲渡側と譲受側両方を、一人のコンサルタントが一貫して担当します。そのため、譲渡企業と譲受企業、それぞれの長所をダイレクトに伝えることができると考えています。M&Aには財政状況などの資料も必要不可欠ですが、それ以外にも、数字では表すことができない魅力を伝えるのも私たちの仕事だと自負しております。

 

経営者の方は重要な経営判断を行う際、社内の人や家族にも相談することができず、お一人で悩みを抱えている方がとても多いです。

そのような方に寄り添い、信頼いただき、ベストな選択をするお手伝いができたとき、私自身もとてもやりがいを感じています。

お困りの際はぜひ、ご相談ください。全力でサポートさせていただきます。

担当コンサルタント

黒宮 大貴

得意業種:製造

黒宮 大貴 Daiki Kuromiya

明治大学を卒業し、株式会社キーエンスに入社。製造業の中小企業を7年半担当し、東北・関東・北陸・関西エリアでの業務に従事。
コロナの影響で、当時担当していた会社の売上が大幅に減少する様子を目の当たりにした。特に、私が数多く担当していた食品業界は大きく変化してしまった。経営者たちと共に売上回復の方策を模索し、地方の人材不足や販路開拓の難しさなど、製造業特有の課題感を自らも深く感じた。
メーカーの営業マンとしてではなく、違う視点で問題を解決できる手段があると考えM&Aや事業承継こそ、中小製造業を再生する本質的な手段と感じ、M&Aの道へ進むことを決意。 現在は製造業専門のM&Aに従事し、加工関連、食品製造、装置メーカーなどのM&A成立に携わっている。

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